気温が高くなる春から夏にかけては細菌が繁殖しやすくなり、反対に気温が下がる秋から冬にかけてはウイルスが流行しやすくなります。食中毒の被害を防ぐには季節に関わらず適切な温度管理を行わなければなりません。例えばサルモネラ菌は加熱が不十分な肉や魚、卵などに付着しており吐き気や下痢などの原因になります。サルモネラ菌が付着した肉などを食べると、6時間から48時間ほどで食中毒の症状が現れます。
この細菌は乾燥に強く熱に弱い特徴があるので、温度管理をしっかり行えば被害を未然に防げます。食中毒の原因となる細菌やウイルスには他にもカンピロバクターや腸管出血性大腸菌、ノロウイルスやE型肝炎ウイルスなどがあります。これらはいずれも加熱すれば処理できるので、温度管理を怠らないようにすることが大切です。細菌の中には黄色ブドウ球菌の毒素のように熱に強いものも存在します。
この細菌は人間の皮膚や鼻の中に潜んでおり、傷などを触った手で食品に触れると付着しやすくなります。食品を加熱したとしても黄色ブドウ球菌の毒素が付着すれば食中毒が起きてしまいます。トラブルを避けるには、温度だけでなく総合的な衛生管理を行い食品の安全を守ることが大切です。食中毒が起きて訴訟に発展すると、高額な損害賠償を請求され会社のイメージも低下してしまいます。
企業が安定した営業活動を行うためには消費者や取引先、投資家などからよいイメージを持ってもらうことが大切です。温度など食品の衛生管理を適切に行えば食中毒などのトラブルを回避できるだけでなく、企業の社会的な評価を高め安定した営業活動が可能になります。